芸術と、商業デザインと、それを欲しがる人々と

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ムナーリ曰く
理解しづらい絶対芸術には100人のファンがつくが、自然を写実的に描く写実芸術には100万人のファンがつく。100人のファンは写実芸術を理解できるが、100万人のファンは絶対芸術を渾身の力で否定する。

ラスキン曰く
この世で最も美しいものは、最も無用のものである。たとえば孔雀と野の百合をみよ。

芸術や美というのは、必要であり不必要な物。
全ての人間が求める物でも無いし、常に求められている物。

我々商業デザイナー/クリエイターは、
常に「顧客を満足させる」という目的が明確化している。
それは「理解」という謎の生き物にとらわれて生きている。

顧客からの理解。ユーザー/利用者からの理解。同業からの理解。
グラフィックのデザインをするとなると、そのグラフィックの効果は?ターゲットは?そして媒体は?
色んな視点から目的に対してアプローチし、どれだけリーチできるか、どれだけ費用対効果を上げるかに切磋琢磨している。

 

芸術家は言う。

誰もが芸術を理解しようとする。ならば、なぜ鳥の声を理解しようとはしないのか
-パブロ・ピカソ

芸術における 最大の障害は 芸術を頭で理解したがる人々
-ブルーノ・ムナーリ


しかし工業デザイナーはこう言う

良いデザインとは、理解をもたらす。
-ディーター・ラムス

僕達クリエイターのほとんどは、デザインを勉強し、芸術を理解しようとし学ぶ。
芸術とデザインは全くの別物?
そうは思わない。けど、本質が違う。

 

僕達が創った物は、顧客が喜ぶ物を、利用者に訴求できる物である必要がある。
その時点で評価される。
広告/販促としての効果を上げる為のクリエイター。
利用者がどう感じるかが全て。

芸術家は自らの想いや感情を芸術にぶつける。
利用者がどう感じるかではなく、ただひたすらに自分の想いをアートする。

デザインの勉強をしている時、似たような感情を抱かなかったですか?

アートってなんだ?

 

アーティストが言う
「プロになって自分のやりたい音楽ができなくなった」
自分のやりたい音楽って、これってやっぱり芸術。「アーティスト」

じゃあ、その音楽は人に認められたいの?
その芸術は人に認められたいの?

自己の表現と承認欲求は必ずセットだ。
表現を認められたい想いで、ひたむきに創作する。

じゃあゴッホは?アメデオ・モディリアーニは?
仮に売れたいと思ってやっていたとしても、売れなかった。

 

では、芸術は人の要望に応える為に作るべきでは無いのか?
その問いは少し違うと思う。
なぜならミケランジェロもダ・ヴィンチも依頼主は居る。
今のクリエイターと請け負うスタイルは違うのだろうけど。

 

飛ぶ鳥を落とす勢いでアート活動されているChim↑Pom

エリィ氏の私物や全身をかたどった石膏像を爆破してチャリティをする。
国会議事堂前にカラスを呼びまくる。
原爆ドームの上空で「ピカッ」という文字を描く。

これは芸術か?アートか?
芸術ならば頭で理解しない方が良い?でもこれは明らかにメッセージがある。
(良くわからないものもあるけど・・・)

 

 

どれもこれも結局は人が欲しがってるモノだから、
人が作って、人が欲しがるだけ。歯車や螺旋みたいなモノ。
その流れに自ら入りたいか、自分の流れに人を巻き込みたいか。

うーん…。よくわからないな。

 

重要なのは、
自分は何ができるか。何がしたいか。

 

そして何をすべきか。

 

※偉人の言葉は一部、僕の方で簡略化しています。

戯言乙俺