人の育成って大変。じゃあ何が大変かわかりますか? 理由の1つは「自分のモノサシ基準」が原因

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人の教育の話。
人をマネジ、教育する際に、自分のモノサシ基準で動いてる人が多いように思えるんですが、これがどうなのかなぁと悩んでいます。
そもそも「人 」っていうのは「十人十色」と昔から言うように、同じ考え方の人間はほぼ皆無だと思っています。それがどんなに親しい人でも、限りなく距離がゼロになる事は無いはずです。それは生まれ持った性格と育った環境で「世界」という物をどう捉えているか、視点が様々だからと思います。

そんな中、人材育成として人に物事を教える行為は、自分の価値観を押し付ける行為に成り下がっている場合が多いんじゃないか、と思ったのです。

例えば何かミスを起こしてしまった部下がいるとします。
具体的に書いてみますと、、

Aさん(女性):入社2年目
大学でデザインの勉強をし新入社員として入社。同期はほとんどが営業畑でデザイナー志望が少ない中、元々持っていた才能が今年から開花し大きなプロジェクトのメインデザイナーとして大活躍中
という設定だとします。

トラブル発生

そのAさんが手がけたWebサイトのトップページデザイン。
実はディレクターが引いたワイヤー時に既にクライアントの要望とズレていました。
優秀なAさんは、ワイヤーを見た時に既に「これじゃあダメだなぁ、クライアントが以前打合せをした時に言っていた事と違う..。」と感じていましたが、ディレクターは上司なので何も言わずにデザインを提出。ディレクターも自分の要望通りで大満足。

しかし次の日、クライアントが大激怒。 原因はもちろん要件が違う為。
「何も聞いていないじゃないか!こんなものに金は払えない!」

ディレクターの上司、Cさんはまずディレクターを叱ります。とうぜん。

そして次にデザイナーを呼び出し、話を聞いてみるとAさんは
「わかってましたけど言われた通りにやりました」と。
ここで上司のCさんは「チーム全体の責任だから」
「わかっていたなら声がけを!」とAさんも叱りました。

二人の心情は?

ここで「Aさんは気付いていたんだから」とか「誰が悪い」とかそんな話はどうでも良いです。
問題はAさんのモチベーション。Aさんの中での理屈ではこうでしょう
「プロジェクトを管理してるディレクターから指示受けたんだし、自分が文句を言われる事じゃない」と思っているはず。

Cさんの気持ちはこうです。
「仕事に上司も部下も関係無い」「気付いていて言わない事は罪だ」

トラブルの大元、ディレクターさんは反省している事でしょう。
更に部下であるAさんにも迷惑をかけて、落ち込んでいます。
彼は思いっきりポカをしてるので心情はスルーしましょう。


どちらの言い分もわかります。この程度、話し合えれば解決に向かうはずです。
しかし、Cさんには上司という圧力があります。振る舞いは全て自然と圧力が発生します。
ここで3者の間にモヤモヤっとした物が・・・

問題点は?

問題なのは、Cさんが自分一人の基準で判断している点。
Aさんは、ここでのトラブルを反省しないかもしれません。なぜなら自分の言い分が正しいと感じているからです。
上に立つ、つまり人を従える人ならば、下の成長は望ましい事のはずです。
「心を鬼にして、ここは説教」という手法をとっているのかもしれませんが、
部下は従順な人間でも無いですし、意欲があれば自分が正しいと思う事を優先するはずです。
ただの説教なんてナンセンスです。

Cさんは、まずAさんにどうしてもらいたいか、
次にAさんが失敗をしない為に、どうするべきか。
そして、それを実現させるには自分がどう立ち振る舞えば良いかを
考えなければならないです。
それにはAさんの心情をしっかり理解しなければならない。

このケースでどう動けばよかったか


僕が思うに、
今回のケースは、まずトラブル解決策を3人で話し合うところからスタートするべきです。
プロジェクトの真っ最中にディレクターとメインデザイナーの関係がこじれる事は避けるべきです。問題があった点、そして次のアクションをサポートとしてCさんが一部的にも入ってあげれば良い。二人は戻った際にリカバリを行う為にまず動くでしょう。上司から次のタスクを指示されたわけですから。
まずここでモチベーションのダウンは避けられます。今はトラブル時です。ここではまずモチベーションのダウンが仕事の効率を下げる事を理解していなければいけません。

次に、頃合いを見てディレクターとAさんを個別に呼び出し、
まずCさん(自分)の心情を話しましょう。
「あのくらいのトラブルは、できればキミの段階で止めて欲しかった。
ちょっとしたミスだが、あのクライアントの信頼を損なうのは大きな痛手だ」
と。

そして二人の言い分を聞き、理解してあげる。
理解した上で自分の意見を述べる
「キミ(Aさん)は、チームで働く事がまだ慣れていないようだから、
今回の事が次に起こらないように気をつけてくれ。
チームで動く事と、”部下だから”と責任逃れするのは違う」

という具合に。

上記は”例えば”の話です。
このような時、ポイントは「二人の考えを尊重する」事だと思います。
「自分の価値観を押し付けない」価値観は似てる事はあっても違いはあります。
この価値観の違いで相手の成長意欲が削がれてしまう事があるのではないかなと。

※ディレクションとかCさんとかプロジェクトがどうとかっていう事ではなくてAさんの心境の話です

完璧を望むべきか?

部下に完璧を望むのは、上司の希望的観測というものでしょうか
僕は違うと思います。じゃあ完璧に育て上げる事がベストか、それも違います。
最も有効的なのは「良いところを伸ばす事」だと思います。

もし仮に会社での評価を通知表のように5段階評価がされていたとします。
上司のCさん。オール4だとします。万能ですね。
じゃあここでディレクターやデザイナーのAさんにオール4になるよう指導する事がベストなのかというと、僕は違うと思います。
Aさんが5を取れる部分をサポートすべきです。
無理して他の苦手分野を3や4にしようとするより、まず5取れる部分を伸ばしてあげた方が会社にとってもメリットが大きいのではないでしょうか?
ある部分で5を取るのに1年注力させれば済むのに、苦手部分の2を3にするまでに3年かかっていたらいつまで経っても成長しません。

僕は当時から
「この会社で1つだけ、誰にも負けない何かを持った人間になりたいです」
と発言していました。

当時、どう考えてもこの優秀な先輩方に勝てるなんて事は全く思えませんでした。
ただ、何か存在意義が欲しくて考えた末、1つだけでも一番になればと、
たった1つだけでも、自分の専売特許があれば自分自信の価値が生まれると思ったからです。
お陰でそれなりに実力も認められるようになりました。
(あと発言する事で自分自信にプレッシャーを与えていたりしてましたね。たぶん皆は覚えていないだろうなぁ・・・)

今でも苦手分野は多いですが、それをカバーできる他の力が備わったと思います。

やはり人を動かすというのは難しい…。

有名な言葉ですが、僕の好きな言葉でこんなものがあります

やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
– 山本 五十六

山本五十六は、日独伊三国軍事同盟や日米開戦に最後まで反対していたといわれる大日本帝国海軍の軍人

この時代って、戦争の時代です。
上下関係が圧倒的だった時代にすらこんな言葉が生まれているわけです。

特に今の時代なんて、部下っていっても「下なんで何でもやります」って考え方の人は少ないと思いますよ?個人で活躍できる時代です。そして永久就職なんて無い時代です。人を動かす事は、本当に大変で、人に理解される事はもっと大変で、人に尊敬される事はもっともっと大変です。そして人は分かり合えないから良いんです。無理に全てを分かってもらおうなんて止めましょう。