翻訳の必要性

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技術者からの要望で、こんな風に仕様書を書いてほしいというようなのがよく聞かれるが、それは非技術者に向けてある程度翻訳して伝えなければ理解に苦しむのは明らか。勉強をしろと思うかもしれないが、そもそも専門的技術を持っていないので技術者に作ってもらう為に仕様書を書いているケースも多い。
もちろん必要最低限の知識は仕様書を書く上で必要だが。そもそも書き手は、技術者の苦労を理解できない事が多い。それは作っていない側なので当たり前の現象だとは思う。つまりは上手く伝えられるように翻訳が必要であるという事。

また、お客様からの要望を受けて提案する場合も同様に、
我々がよく知る内容で、よく知る言葉で伝えても相手には何一つ伝わらない。もし1つ伝わったとしても、もしかするとそれは相手側で勝手に翻訳されて違う内容に変換されたモノになっているかもしれない。

ディレクションを行う上で必要なのは翻訳力

プロジェクトチーム(クライアント・関係者を含む)は、同じような人間が集まっているわけでは決して無い。
モノにもよるが、ほとんどの場合はそれぞれ違う責任を任された、少し違う種の人間が集まるはず。

実はこの翻訳力は、ディレクターにとって必要なスキルというよりむしろ必須スキル。また、この翻訳力だけで非常に必要性のある人材になり得るモノで、これだけでフリーランスとして活躍している人も多い。
また、冒頭にも書いたように、ディレクターだけが必要なスキルでは無い。
何かを作るというのはコミュニケーションそのものであると思っている。各プロフェッショナルが集まる中でコミュニケーションをするには、この翻訳力が必要となる。

ではこの翻訳力をどのように身に付けるか。

先に「これだけで」と書いたが、実は翻訳するには背景を広く知っていないと難しい。ディレクターならば、これは経験を積んで、広い知識を必死に取り込むしかない。ディレクターは作れない場合が多い。ポジション的にも、作る事に注力していない為、自分自身の指針として作るためだけの勉強をし続ける事は物理的に困難な場合がある。
良い先輩や良い技術者が側に居るなら、その人達と一緒に学び、相談する事が出来るが、それは環境なので誰もが恵まれているわけでは無い。

ディレクションは「失敗できない」事が多々ある。

一回の打ち合わせで、いきなりスケジュールや予算が180度変わる事もある。その為に、打ち合わせの準備をしっかりしておく事が重要なのだが、この感覚は技術者とは違った別の能力や感度が必要だと思う。もっと営業的な感覚で、いくらそれが仕様の打ち合わせだとしても、例えばクライアント側の鶴の一声で仕様無視のオーダーが入ったりする。
事前設計が一気にパーである。パーでんねん。
こういった事は、実は事前に回避が出来る。いや、回避というより予測が出来る。
それはクライアントと密に連絡を取り合う事。それにはクライアントとの距離を縮めて事前の情報収集を取る事が重要だ。
こういった事前情報を収集した上で、打ち合わせに挑む。

この話、翻訳力に関係無い?

いや、多いに関係する。この内容次第で、ある程度は仕様も「譲歩」しておける。
そしてその事実を踏まえて関係者に情報を共有し、翻訳した内容を伝えておける。これは潤滑油として非常に重要だ。
納得感が無ければ誰も良い仕事はしない。
コミュニケーションが無ければ納得感も生まれない。これが翻訳をする上で必要な事。
ディレクションはやはり経験がモノを言う。
それは対人間の仕事だから。教科書じゃ教われない、所謂ビジネス的な能力だったり人間としての能力・魅力だったりが必要で、自分もまだまだ勉強や経験が足りない。ひよっこだ。ぴよぴよ。

ディレクターって、専門分野とかが結構違う。それは会社、チームに依存すると思う。人のディレクションを聞いてると、色んな気付きがあるし焦りも出る。
人とのコミュニケーションは、こんな事にも役立つんだなーと、最近よく思う。
(あと補足で、「気付く力」ってう嗅覚的なモノも、この能力に影響するかなと思う。それはまた今度)